トイレを覚えさせたり、ハウスで静かに過ごすことを教えたりすると本的なしつけは、自然に習慣づけられるように初日から始めましょう。
人と犬が快適に暮らすためのマナーやルールを伝える
しつけとは、人と犬が快適に過ごすために、人間社会のマナーや飼い主さんとのルールを、犬に教えることです。トイレ以外でオシッコをしたり、むやみにほえたりして、周囲に迷惑をかけないようにしつけをしましょう。マナーやルールは飼い主さん自身も守らなければなりません。まずは、犬との生活を想像して、犬に覚えてほしいことを考えてみましょう。
また、しつけをするときは、生活環境を整えたり、トレーニングをしたりして好ましい行動を教えていきます。犬がどのように行動を覚えていくか頭に入れてから、スタートしましょう。
しつけやトレーニングに役立つ犬の学習法
しつけやトレーニングは、犬がもっている本能や習性を使って行います。飼い主さんがそれらを知っておくことが大切です。
犬は教えたことや体験したことは、覚えていく
犬は教えたことや体験したことは、学習して覚えていきます。飼い主さんがしてほしいことはどんどん体験させましょう。逆に、体験していないことはわからないので、困った行動はさせないように環境を整えることが大切です。
犬にとってうれしいことは、行動をくり返すようになる
犬にとってうれしいことは、必ずしも飼い主さんと一致していません。フードやおやつだけでなく、遊びや散歩もうれしいごほうび。また、いたずらも犬にとって遊びになっていれば、ごほうびになってしまうのです。
犬の気持ちと行動パターン
1 犬にとってうれしいことが起きる
↓
その行動をくり返す
2 犬にとって嫌なことが起きる
↓
その行動が減る
3犬にとってうれしいことがなくなる
↓
その行動が減る
4犬にとって嫌なことがなくなる
↓
その行動をくり返す
犬の気持ちと行動パターンを利用したしつけの基本
1 うれしいことが起きる
(例)トイレでオシッコをする
↓
ほめられておやつがもらえた
(→犬にとってうれしいことが起きる)
↓
行動をくり返す
基本
好ましい行動は、体験させてほめる
好ましい行動をとったときは、ほめることで犬をうれしい気持ちにさせて、繰り返すようにさせます。たまたまとった好ましい行動でも、見逃さないことがほめ上手の第一歩です。
2 嫌なことが起きる
(例)いたずら防止剤をスプレーしたスリッパをかじった
↓
苦い味がした
(→犬にとって嫌なことが起きる)
↓
行動が減る
基本
してほしくない行動は物から罰を受けるようにする
ある行動をとったときに苦い味がしたり、大きな音がしたりする「天罰」は、犬にとって嫌なこと。必ず罰が起きるようにすると、その行動をとることが減っていきます。
3 うれしいことがなくなる
(例)かまってほしくて飛びつく
↓
知らんぷりをする
(→犬にとってうれしいことがなくなる)
↓
行動が減る
基本
してほしくない行動をしたときは知らんぷりをして、あとで好ましい行動を教える
してほしくない行動をしたときは、反応しないようにします。声をかけると、それが犬にとってごほうびに。その後、好ましい行動を教えて、ほめましょう。
4 嫌なことがなくなる
(例)飼い主さんが犬に歯みがきをしようとしたら暴れた
↓
飼い主さんが歯みがきをあきらめた
=犬は歯みがきをされなかった
(→犬にとって嫌なことがなくなる)
↓
行動をくり返す
基本
してほしくない行動は、体験させないように先回りして回避
暴れるという行動を体験させないようにしましょう。歯みがきは口をさわる練習をしてから行います。同様に、いたずらもさせないように、先回りをしてゴミなどを片づけましょう。