トイ・プードルは賢いので、知恵を働かせて飼い主さんにおねだりをするのが得意です。要求ぼえに対しては、甘やかしたりあきらめたりせずに一貫したしつけをしましょう。
原因
おねだりをすると飼い主さんが要求に応える
来客に対するうれしいという気持ちの表現
興奮して楽しいという気持ちの表現
身を守ろうと警戒しているときの表現
対策1 ほえない環境にする
何かに対して身を守ろうとしているときは、苦手なものに対して見えない、聞こえない環境づくりをしたり、遊びで気をまぎらわせたりしましょう。また、苦手なものに慣らすトレーニングも併せてしていきましょう。
こんなときに使える!
窓の外を通る人に対して怖がっているとき
雷や花火の音を怖がっているとき
対策2 驚かせてやめさせる
ほえているときに、犬に気づかれないように音を出して驚かせます。空き缶に小石を入れて投げるなど、どんな方法でもOK。ほえると嫌なことが起きると、学習させます。恐怖感を与えないように気をつけましょう。
こんなときに使える!
見知らぬ人に対して身を守ろうとしているとき
夜鳴き
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対策3 知らんぷりをする
要求ぼえに対しては、犬に反応しないことが鉄則です。頭のいいトイ・プードルは要求を通すために、いろいろ知恵を働かせてほえ続けることもあるので、根負けしないようにしましょう。
こんなときに使える!
人の食べ物がほしいとき
ハウスから出してほしいとき
遊んでほしいとき
●知らんぷりの基本
・犬と視線を合わせない
・体をなでない
・声をかけない
対策4 ほえていないときにほめる
チャイムの音や来客に対して静かにできたら、すかさずほめてごほうびをあげましょう。静かにできていることを当たり前のこととして見逃しがちですが、子犬のころからほめていると、ほえグセをかなり防げます。
こんなときに使える!
チャイムの音がきっかけになってほえるとき
来客に対して喜んでいるとき
対策5 落ち着かせる
興奮してほえているときは、抱っこして落ち着かせましょう。落ち着いているときにほえる犬はほとんどいません。興奮していてもオスワリができる場合は、オスワリで落ち着かせてもいいでしょう。
こんなときに使える!
遊んでいるとき
来客に対して喜んでいるとき
●抱っこする
興奮しているときは、抱っこして落ち着かせます。
●コングに夢中にさせる
興奮するできごとが起こる前に、気をそらして落ち着かせておきます。
対策6 トレーニングで「シー」を教える
ほえグセがひどい場合は、トレーニングでシー(=だまる)を教えるのも対策のひとつ。その場合、最初はほえることから教えます。
こんなときに使える!
ほえグセがひどいときに
Level1 ワン(=ほえる)の練習をする
1.ほえさせる
ほえる行動は犬がもともともっている行動なので、最初から言葉をつけて練習します。「ワン」と言いましょう。
2.犬がほえる
最初は小さな声ですが、そのままでOK。慣れてくると大きな声になってきます。
3.ほめてフードをあげる
上手にほえたら、ほめてフードをあげます。
Level2 シー(=だまる)の練習をする
1.だまっているときに声をかけて手の合図を入れる
犬がだまっているときに、人さし指を口にあてて(=手の合図)、「シー」と言います。
2.フードをあげて、ほめる
そのあと、すぐにほめてフードをあげましょう。少しずつだまっている時間をのばしていきます。
Level3 ほえる、だまるを続けて練習する
だまっているときだけフードをあげる
「ワン」と「シー」を続けて練習します。「ワン」は強化されやすいので、「シー」のときだけフードをあげましょう。上手にできないときはレベル1と2をくり返してトレーニングします。