防げる病気はしっかり予防しておきましょう。
おそろしい感染症をワクチン接種で予防する
ワクチン接種には、年1回接種が義務付けられている狂犬病予防注射と、混合ワクチンがあります。狂犬病は人にも感染し、発症すれば100%死亡する病気です。必ず接種し登録しましょう。また、特に大切なのは子犬の時期の混合ワクチン接種です。生まれたばかりの子犬は、母犬の初乳に含まれる免疫により、病気になりにくいのですが、生後6週ごろからは免度が低下してくるため、ワクチン接種が必要です。接種時期は、条件や環境により異なるので、獣医師に相談しましょう。
ワクチン接種で予防できる感染症
混合ワクチン
感染力・死亡率の高い病気をまとめて予防
混合ワクチンは、死亡率の高い感染症を効率的に予防します。組み合わせはワクチンの種類によって異なり、5種、7種、8種、9種とさまざまです。
●予防方法
地域によって感染の発生状況が異なり、アレルギー反応を起こすこともあるので、数が多いほうがよいとは限りません。ワクチンの種類は獣医師と相談しましょう。
●スケジュール
子犬は生後2~4か月までの間に2~3回接種します。1回目は生後6~8週ごろまでが目安。以後、年1回追加接種します。
混合ワクチンで予防できる感染症
●犬ジステンパー
●犬伝染性肝炎、
(アデノ1型ウイルス感染症)
●犬伝染性喉頭気管炎
(アデノ2型ウイルス感染症)
●犬パラインフルエンザ
●犬パルボウイルス感染症
●犬コロナウイルス感染症
●犬レプトスピラ感染症(3種類)
など
狂犬病ワクチン
最も怖い犬の感染症
狂犬病予防接種は義務
狂犬病は発症した動物にかまれることで感染します。中枢神経障害が起こり、何でもかみつこうとするようになります。100%死を免れられない病気です。
●予防方法
年1回の狂犬病予防接種は義務です。混合ワクチンには入っていないので、単独で接種します。
●スケジュール
生後90日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に接種し、以降は年1回接種し登録します。最初の接種後、役所で畜犬登録を行います。
寄生虫の種類と予防方法
フィラリア症
蚊に刺されて感染し、心臓に寄生
せきや息切れが典型的症状
感染した犬の血を吸った蚊に刺されることで、フィラリアの幼虫が体内に入り、やがて心臓で成虫になります。せき、息切れが見られ、心臓や肺のほか、腎臓や肝臓への障害なども起こし、進行すれば命にかかわる病気です。
●予防方法
蚊の出る期間中に、フィラリア予防薬や注射などで予防します。地域差はありますが、通年予防がおすすめです。月1回薬を飲ませるとよいでしょう。
回虫・鉤虫・条虫
消化管にすみつく腸内寄生虫
ウンチと一緒に虫が出ることも
回虫が寄生すると食欲不振やおう吐、下痢や発育不全、鉤虫は下痢、血便、貧血、やせる、腹痛などの症状が。条虫が寄生すると、おしりを地面にこすりつける行動をします。
●予防方法
ほかの犬のウンチにふれさせないこと、条虫はノミが虫卵を運ぶので、ノミを退治することが予防に。回虫はフィラリアの予防薬と一体のものが便利です。
ノミ・ダニ
皮ふを刺されると強いかゆみが発生
薬やシャンプーで徹底的に駆除
かゆみが起こり、引っかいたりかじったりすることで皮ふが傷つきます。草むらなどの湿度が高い日かげで繁殖するので、散歩のときは注意しましょう。
●予防方法
草むらへなるべく入らないことが一番の予防。また、掃除や除湿も有効です。駆除薬は液体を首の後ろにたらす滴下型などがあります。月1回駆除薬を塗布し、通年予防をしましょう。
子犬のワクチン接種プログラム例
母親から譲り受けた免疫はやがて下がるので、生後6~8週ころに第1回目の混合ワクチンを接種します。ブリーダー、ショップでワクチン済みか確認しましょう。
誕生
6~8週
10~12週
14~16週
18~22週
検便
子犬が来てから3日以内くらいに
身体検査
子犬が来てから1週間以内くらいに
混合ワクチン
1か月
1か月
子犬の健康状態をはかるため、検便や身体検査を行います。ワクチン接種プログラムは、狂犬病ワクチンの接種時期ともかかわるので、かかりつけの獣医師と相談しましょう。