繁殖の予定がなければ、不妊・去勢を検討してみましょう。
メリット・デメリットをふまえて検討する
トイ・プードルは、6~10か月ころで性成熟に達し、繁殖が可能になります。将来的に繁殖を希望しなければ、不妊・去勢手術を検討しましょう。
手術をすれば二度と子どもが作れなかったり、太りやすくなったりするなどのデメリットはあります。一方で、問題行動が軽減され、生殖器の病気にかかりにくくなるなどのメリットもあり、健康のために手術するという考え方も。手術するかどうかは、メリット・デメリットをしっかり考慮したうえで判断してください。
メスの発情
6~10か月の間隔で、発情期(ヒート)がやって来ます。発情期があるのはメスだけで、オスはメスの発情に伴って反応します。
全体周期 6~10か月
無発情期
発情前期
8日間
出血 10~12日間
発情期
平均10日間
排卵
発情休止期
2か月
妊娠期間58~63日間
無発情期
4~8か月
発情前期
外陰部が充血して大きくふくらみます。透明な分泌物が出て、その後、出血が始まります。オスを引きつけるフェロモンを含んだオシッコをしますが、まだ交尾は受け入れません。
発情期
出血がおさまって排卵が起こります。オスが近づくと立ち止まって踏ん張り、尾を持ち上げて交尾を受け入れます。出血が始まって10~12日ごろが一番妊娠しやすい期間です。
発情休止期
黄体ホルモンが働いて、外陰部からの分泌物は出なくなり、オスを受け入れなくなります。受精が成立して妊娠した場合は、約58~63日間の妊娠期間に入ります。
無発情期
ホルモンの活動が停止し、卵巣が機能しなくなって、発情していない状態に戻ります。この時期は4~8か月間続きます。
発情期の様子と不妊・去勢手術
不妊・去勢手術はメリット、デメリットがありますが、病気予防などの効果を考えるならば、発情期前に手術するのがおすすめです。
オスの発情の様子
●メスに興味をもち、おしりのにおいを嗅ぐ。
●発情したメスが近くにいると興奮状態になる。
●マーキングの回数が増える。
●マウンティング(しがみついて腰を振る)をやりたがる。
●ほかの犬とケンカになることもある。
去勢手術
全身麻酔をかけて、陰嚢近くの皮ふを切開し、左右の睾丸を摘出します。
メリット
●精巣腫瘍、前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの病気を予防できる。
●縄張り意識が弱まり、マーキングやマウンティングなどの行動が減ることも。
●メスを追い求める発情のストレスから解放されるため、おとなしくなる。
デメリット
●あとで繁殖させたくなってもできない。
●活動量が減る分、食事管理をきちんとしないと太りやすくなる。
メスの発情の様子
●外陰部が大きくふくらみ、出血が2週間くらい続く。
●オスを誘うようになり、オシッコの回数が増える。
●そわそわ落ち着きがなくなったり、攻撃的になったりすることも。
不妊手術
全身麻酔をかけて開腹して、卵巣と子宮を摘出するのが一般的。卵巣だけを摘出する場合もあります。
メリット
●望まない妊娠の心配がなくなる。
●子宮蓄膿症、子宮内膜炎、卵巣腫瘍などの生殖器の病気が予防できる。
●乳腺腫瘍の発症率が低くなる。
●発情に伴うストレスから解放され、おだやかになる。
デメリット
●あとで出産させたくなってもできない。
●活動量が減る分、食事管理をきちんとしないと太りやすくなる。
発情期に注意すること
●ドッグランやドッグカフェには連れていかない
周りのオスが落ち着かなくなってトラブルの元なので、犬がたくさん集まる場所は避けましょう。
●シャンプーはしても問題なし
発情中のシャンプーは、犬の体には問題ありません。陰部が汚れやすくなるので、清潔にしてあげましょう。